この時期は、外国の
コスプレ衣装専門サイトも大いに賑わう時期。かわいいもの、ガチなもの、そして色っぽいものと、ありとあらゆるタイプのコスプレ衣装がずらりとそろっているわけなのですが……。そのコスプレ衣装とは、日本の芸者をモチーフにした商品「Geisha Costume(ゲイシャ・コスチューム)」。値段は34.98ドル(約3900円/10月15日現在)。コスチュームのセット内容はというと「キモノ(黒い着物風のガウン)」「オビ」「ヘア・スティック(かんざし)」、そしてなぜか黒のミニスカートとなっています。今、アメリカのファッション通販サイト「Fashion Nova」で販売されている “あるハロウィン衣装” が、一部で物議を醸しているようなんです。
【「芸者についての誤解を助長するコスチューム」】この「セクシー・ゲイシャ」コスチュームについて、海外サイト「Teen Vogue」や「HelloGiggles」は鋭く批判。芸事に高度に熟練したプロのエンターテイナーである日本の芸者をモチーフに色っぽいコスプレ衣装を制作したことについて、「芸者についての誤解を広める」「アジア人への偏見につながる」として問題提起をしているんです。10月ももうすぐ半ばということで、月末に迫ったハロウィンのためのコスプレ衣装探しをしているという人も少なくないことでしょう。とくに「HelloGiggles」はこのコスチュームについて「レイシスト」と言い切っています。しかし主に外国において、「ゲイシャ」というものがひどく誤解されていることは少なくない様子。そのため性的なイメージの強いコスプレ衣装が作られてしまうのではないかということでして、考えさせられます。もっとも、大人向けに見えるようデフォルメされたコスプレ衣装のモチーフは、芸者だけではないようなんです。
いずれのサイトも、芸事の達人である芸者(芸妓)が性的な仕事であるかのような誤解が生まれたいきさつに触れながら、そうした誤解を助長するべきではないという論調。芸者または芸妓(げいぎ)とは、簡単に言うとお酒の席において舞踊や音曲、鳴物で興を添えて、訪れた客をもてなす女性たちのこと。歴史的であり、非常に複雑で高度な職業です。またFashion Novaはメキシコ「死者の日」の聖女・サンタムエルテ、日本の忍者、クレオパトラと色々な文化の衣装をハロウィンコスプレ衣装化しているようで、「HelloGiggles」は、「ほかの人たちの文化は決してコスチュームなどではない」と批判しています。